ら行の映画

2009年11月 4日 (水)

素敵なイベントの刺激的幸運

早速ですが、ポレポレで茉莉ちゃんの映画&サイン会に行ってきました。
『離愁』'60 大庭秀雄 の上映後、 「女優 岡田茉莉子」(岡田茉莉子 著) の出版記念サイン会、というスケジュール。映画上映前には既にドキドキしていました☆

『離愁』は、主演女優の独白を入れたメロドラマなのですが、男女の関係よりも、親戚且つライバルである二人の女の心理戦、まさに戦いのような駆け引きが多く、見もので、こちらまでソワソワしちゃいました。
複数の男にモテモテな叔母の岡田茉莉子に対し、姪の桑野みゆきが可愛いんだけど叔母の心を誰よりも弄んでる感じで、お互いに刺激しあって恋心を右往左往させてるストーリー。
肝心の男、佐田啓二が居ないときのほうがむしろ重要な女心を表していて、女同士のお話という印象でした。甘いのは男女の恋模様よりも女の悩めるハートの中です。こんな美女もこんなふうに悩んだりするんだな~と。岡田茉莉子が悩むというのが美しくて、彼女の所作をただ見ているのがしあわせでした。テンポとか演出とかがちょっと現代っ子には合わないとも言えますが、エレガントで丁寧なところがそれはそれで素敵です。

そしてサイン会。嬉しいハプニングがありました。
ちょうどわたしの番になったとき、栞&ストラップを配ってくれる女性スタッフが何かの用でその場を離れたのですが、そのおかげで栞&ストラップを茉莉ちゃん直々に渡していただけたのでした! 「幸運を呼ぶ」と書いてありますので、茉莉ちゃんからの幸運があやかれそうな予感です。 で、握手をおねだりして、茉莉ちゃんの「まぁ」と照れた笑顔の余韻を残しつつ階段をのぼって外へ出て、さあビニール袋に本と栞&ストラップを入れようとしたところ、なんと、栞&ストラップが2つあったのです! ピタッとくっついてたので、茉莉ちゃんの長く綺麗な爪では気づけないでしょう。なんだか幸運が2倍です。純金なのでキラキラです。(サイン会、4回とも栞&ストラップがいただけるそうなので、返しに行かなかった、デヘ)

41d16gx9oil_sl500_aa240_ ←本は非常に厚く、渾身の書き下ろしです。まだ最後の「謝辞」しか読んでませんが、あせらないでゆっくり味わって読みたいと思います。(喜重さんのこと“分身”て書いてあったよ。素敵だね!)

劇場の情報は「コチラ

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2009年5月10日 (日)

観れるやつで観てないやつは観ちまいたい

「学生ロマンス 若き日」'29(弁士&ピアノ付き)、 「大学は出たけれど」'29(短縮版・弁士付き)、 「落第はしたけれど」'30(弁士付き)、 (全て)小津安二郎  を新文芸坐で鑑賞。 

感想にすらなってませんが、少々。 だって観てるひとは観てるし、観ないひとは一生観ないだろうし…。書いてどうなるのか、と今回特に思う。

『若き日』 は、結城一朗の貪欲さが今じゃ新鮮。 でも途中ウトッとしちゃいました。コレまったくの無声で観たら自分爆睡じゃないかと。現存している小津の長編映画最古ということだけど、そういう意味では観てよかったと思います。

『大学は~』は残ってるフィルムを繋げた10分程度のもの。でもその後続けて上映された『落第はしたけれど』を観て、アプローチは違うけど本質は似たような感じなので、けっこう楽しみました。 カンニング学生の斎藤達雄が彼女(田中絹代)を見る目がいやらしい…。月田一郎の演技がどうしてもムカつく…。 そんなこんなで、しょうもない学生たちとナントカ及第した学生たちとのやり取りだけで、若者の奔放さや時代的特徴やキャンパス生活やだらしない男同士の楽しさが詰まってました~。ももひき洗わないでクサいってどういうことだ~!

―あと、記事が無い間はおうち鑑賞して楽しんでました。『昭和残侠伝』シリーズ、まだ全部は観てないけどやっぱ好きだわ~♪

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2009年1月27日 (火)

めちゃめちゃじゃなくてめためためた~

「ロケーション」'84 森崎東  「黒木太郎の愛と冒険」'77 森崎東  を鑑賞。シネマヴェーラで。

『ロケーション』は、不思議な、コロコログルんグルん展開する、おおっと惹きつけられる、魅力的な映画でした。コレ好き~。スゴイと思います!スゴイね!

ピンク映画をつくるチームが偶然出会った女子を主役に行き当たりばったりでロケーションを決めて撮影しちまううちに……とあれこれ書きたいんだけど、この行き当たりばったり感でドキドキ楽しむにはその後の展開は知らずに観た方がいいかもですね。 イロイロあって、目が回るほど疲れそうなほど、おなかいっぱいになりました。 ぐちゃぐちゃでめちゃくちゃさがイキてます。 キャスト的には自分好みじゃないのにね。

『黒木太郎の愛と冒険』は、最初にいきなり「これからウラで生きるスタントマンのお話を…云々」と真面目に言い出すからどんな映画になるんだ?と思ったんですが、そういうのは微塵も見せず、熱い物語が続いていき終わっていきました。

確かにウラ…というかやはり社会のウラです。熱い語り合い、殴り合いに加え、戦争や愛国心に関する日本人の立場をはっきりさせた、ちっとも危険思想ではない映画になってました。 魔子はワケあり女教師の役でした。可愛いというより綺麗だったナ。

最近ちょっとわたしにしては忙しそうでしょう♪まだちょっと続くけど、元気に楽しみまーす。

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2008年8月 6日 (水)

だんだん掴めてくる快感

2週間過ぎてないのにもう上映回数が減っちゃってるよぉ~ということで早めに観に行ってきました。

「憐 Ren 」 '08 堀禎一 

前作の「妄想少女オタク系」ではここまで感激しなかったような。つまりコレはすごい!と思ったのでした。どちらも設定が素人(?)には難しい分野になってますよね。でもそれはわざとで、そういう設定の中で効果が発揮されるのを自覚してるんだろうな、と思いました。

まず、SFチックな時間の流れや刻み方をし、主人公が自分しかわからない(と思われる)未来での経験をけっこう頻繁に叫ぶわりには、SFらしい映像がまったく出てこない作品で、あくまで学校やバスケをする広場、歩道橋や様々な道々、そして住まいでの食事のシーン等でしか、見せません。SF的な物事は観念的でいい。そんなところが好みの感じです。

そして、今さらと思われるかもしれないけど映画での長回しが何故いいのか、について。今まで映画を観ていて長回しのシーン(特に固定)がたまたまイイと思うことはあっても、何故それがイイことになってるのかまでは、正直掴めていないところがあったのですが、海辺で火を焚いて真冬の夜、一人また一人と画面から居なくなり、主の3人だけになったとき、ここのシーンはずーーっと1カットだったのですが、特に3人だけになったときの台詞はまったく現実離れしたもので、スムーズに理解できるシロモノではない、この青春SF小説・原作の独特の世界そのものなのに、それを、ただ普通に話し、普通に座っていて、自然に超現実的な流れで“刻のナイフ”が使われていき、そもそもこの長回しの始まりは本当に何の変哲も無い高校生の男女合わせた仲の良い友達同士の葛藤が映されていたはずが、そこから、ただそこに居るだけ、何度も出てくる主の3人がしゃべったり動いたりするだけで、その異様な世界観・時間の観念を観客(わたし)が徐々に享受し、共有するところまでこの長回しカメラは持っていってるのです。そのおかげではっきり確信できたというか、この映画を実際の手で掴んだ気がしました。もちろんここだけじゃなく何度も長いのはあるのですが、最初の方で玲人くんがただ冷凍食品をチンして食べるという時間を1カットで見せてくれたときから、自分が入っていくというか、自然にこちらが向こうの世界に行ける気にさせてくれました。今までは恋愛モノとか同世代とかで自分も映り込む感覚はあったのですが、本当の別世界にまで、学生だけの日常のSF観念モノにまで、入り込ませる自由さというのに衝撃を受けたのでした。

観終わって、腹がきゅーっとなる感じでした。そして胸が満たされたのでした。腹が満たされ胸がきゅーっとなったのではなく。その逆。現実と夢が同じ舞台に立ち、それがわたしの中で矛盾しないまま劇場を出たのが幸か不幸か、腹と胸の区別がつかなくなってたのかもしれませんネ。とにかく観てよかったなと思いました。

―個人的追記:: 祖母に教えてもらって作った彼女がお弁当に入れてきた卵焼きを、女友達は褒めてくれる。それを彼のところへ持っていき、彼が「形悪いな~」と言いつつお口いっぱいに入れ、「甘いトコとしょっぱいトコが別々にわかれてる。でも噛めば味が混ざるな」とクールな顔をする。ちょっと彼のキャラクターが見えてイイな。 8/6 10:53

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2008年4月30日 (水)

好みと言うのもどうかと思うが

「ラブハンター 熱い肌」'72 小沼勝 ラピュタにて。

“不能の夫に美人妻、サディスティックで官能的”、というので楽しみにしてたのですが…。(しかも情夫は吉沢健)

確かに妖しげな内装ですが作りがBっぽいのはロマンポルノだからでしょうか。 ヒロイン(田中真理)がモテモテだったり、口説き文句が非常にクサかったり、鏡台の前で吉沢健に褒められた口の動きをひとりチェックしてみたり、何だか無駄にムーディな昼メロ的匂いを感じ、好ましくなかったのでした。なので見せ場のサディスティックな描写にも集中というか熱中できず…。あと、黄色い風船や白いバスタブも唐突に感じてしまいました。

題材は好みなのになぁ。小沼監督のそういう系、他のあたってみます。

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2007年6月27日 (水)

「楽園の瑕」

生涯ベストテンに入れた映画の話。また再見せずに書こうとしています。毎度のことです。

「楽園の瑕」'94ウォン・カーウァイ ですが、十代だと前の投稿で書きましたがよく考えたら「恋する惑星」のブームが19歳で、その後遡ってビデオでこれを観たのは22歳でした。

これは台詞が印象的で、手帳にたくさんメモしてあります。プロフィールに書いてある台詞もここからのものです。

ちょっと挙げてみますね。

「思い出こそ悩みの源がある。(記憶は悩みの源といわれる)」

 このときのわたしは後悔ともう二度とないような新しい経験とで、頭から離れないことがあった。生きてる限り忘れられないと思った。

「女をダマすのは容易ではない。単純な女ほど一途だ。夫がラクダを捨てて去ることはないと信じているのだ」

 チャーリー・ヤンが本当に優しくラクダを撫でていたのが印象的。

「山を見ればその向こうが気になる。何もない。だが彼は違う。試さなければ納得しない性格なのだ」

 ジャッキー・チュンのこの性格は若さのせいではなく(そんな若くないが)、いくつになってもこれは変わらないんだろうな。男として魅力だろうけども。

「彼女が彼を愛したのは彼が純粋だからだ。俺にも同じ機会があったが結果は違った」

 レスリー・チャンの、冷静とか客観的とかよく考えるとか斜めに見ているとか、そういう男の魅力は欠点というか、やっかいなものにもなるだろうね。

「勝ったと思っていたけれどある日鏡を見た時そこに敗者がいたの。一番美しい時に愛する人を失ってしまったの」

 マギー・チャンが美しい姿でこう言う。ただただそこに座って虚ろに自分の中の遠くを見ている彼女にとって、大切なものに気づかなかった若さからくる傲慢さやいらぬ自尊心は、愛する人に勝つことで不幸な道を選んでしまった原因であるということに気づかされる。過ぎ去った愛を思い出すことで空虚な現実を忘れ、愛していたひとを今になって遠くから愛す幸福を味わうしかない。

「何かを忘れようとすればするほど心に残るものだ。ある人曰く、何かを捨てなければならない時は、心に刻みつけよ、と」

 そして最後は、そんな経験をしてきた男女がここへ辿り着く。そんな映画です。

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