スーツはむしろ、はみだし者が着る装いサ
「ならず者」'64 石井輝男 を新文芸坐にて。 香港、マカオ、横浜で、男たちと女たちの“袖触れ合うのも多少の縁”で紡がれた、ちょっちキザでスマートな裏街道ストーリーです。
高倉健がそこかしこで出会う見知らぬ男たちとの「また会おう」がたまらなく好きでした。
江原真二郎は、トランプでのギャンブル(ポーカー?)で1対1で勝負し、戦い方・賭け方を見て健さんの目的などを察し、戦う相手なんだけどディーラーである江原と素人の健さんが同志のような感情を交わして「ラスベガスかなんかで会おう」と。
杉浦直樹は、誤解から追う追われる関係のまま娼館に辿り着き、病気の娼婦(南田洋子)をスゴいステキなやり方で看病する健さんと、不思議な時間を共有しているうちにお互いを思いやる二人になっていて、「ムショで会おう」と別れるんだけど、何度か再会したのち、ラストでの日本へ帰る前のパトカーが走ってるシーンでこの二人は言葉にならない約束を、台詞にならないながらも交わすんですよ。(多分わかったと思う)
あと、そのラストへと繋がる場面で、前半で敵対し殴りあった丹波哲郎が、事情の誤解が解けて仲間意識のような気持ちが働いてからは、高倉健だけ逃がすように仕向けるほどになっていて、そこでの会話のやりとりが最後になると感じながら、逃げ切れることができたという男同士の冷静な判断・決断もあって。
そこで話題に出る三原葉子、丹波氏と仲間だったのですが、「惚れていたのかわからない」というボスらしい台詞がそんな時に吐かれるのもまたシビれます。 健さんが用意した切符を何も知らず歩道でひとり待つ南田洋子の立ち姿にもふわふわした気持ちにさせられたり、他の脇役も大事な役どころを担っていて、広東語とジャズと日本俳優がクールに溶け合う作品でしたよ。 「女からしぼった金でぶくぶく太った」安部徹がこの映画の大ボスですが、こいつだけは話がわかんないヤツだったな~。じゃないと大ボスにならないか~。
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